宇佐美くんの口封じ





そんなこんなでたどり着いたこの場所。

ステージにはもう楽器がセットされていて、私の目の前には宇佐美くんが使っているギターが置かれている。



演奏が始まれば、手を伸ばせば簡単に届いてしまう位置に宇佐美くんが来るんだ。

ドキドキとワクワクが一気に押し寄せる。




「あ、始まるよ」

「…うん」




パッと暗くなった照明。次の瞬間、アイドルでも登場したのか?と疑いたくなるほどの黄色い歓声に圧倒されてしまった。


ステージの横から出てくるメンバー。
男の子3人で構成されたグループで、圧倒的女子人気が高いらしい。



宇佐美くんの姿が見えた時、ドキリと大きく心臓が音を立てた。


宇佐美くんが私の目の前に来てギターを持った瞬間に、バチ、と目が合う。


< 197 / 234 >

この作品をシェア

pagetop