宇佐美くんの口封じ
私はこれまで通り、普通で平凡で平和な毎日を生きていくんだ。
宇佐美くんはこれまで通り、裏でこっそり遊んでればいいんだ。
これで終わり!それでよし!
「せんぱい」
「っえ、えっ、ちょ!なに!」
「あんまり俺を舐めないほういいですよ?」
舐めてなんかないんですけど!
むしろ宇佐美くんの方が私のこと舐めてるでしょ!
心の中でそう思うも、言葉には出来ず。
宇佐美くんは口を覆っていた私の手を掴み、ぐいっと柱に押し付けた。
痛くはないけど、動かしてもびくともしない。
「…昨日の、なかったことにしたんでしたっけ?」
「っそ、そうだよ!あれはノーカン!ノーカウントです!」
「…ふーん。じゃあ、」
ふわり。彼の香りが強くなった。
「…これで、無かったことには出来ないですよね?」