宇佐美くんの口封じ
「せんぱいが俺のお願い聞いてくれないなら、せんぱいとキスした事ばらしちゃお」
「は!?」
「女の子から嫌がらせ受けたりしてー」
キスしてきたのは宇佐美くんなのに!
散々女の子たちと遊んでるくせに!
…でも、もし本当に私と宇佐美くんがキスしたことが周りに知られたら。
私みたいな平凡女が"みんなの宇佐美くん"に近寄るなって嫌がらせされるかもしれない。
ブスのくせに調子に乗るなって、トイレの水をぶっかけられてしまうかもしれない。
……ひぇ、無理無理。私は平和に暮らしたい。
「わ、わかったから!仲良くしようね!」
「やった」
「…だから、キスとかは軽々しくしないでね」
宇佐美くんの"普通"に流されてしまいたくない。
宇佐美くんのペースで簡単に唇を奪われたくもない。
私と宇佐美くんは仲のいい先輩後輩。