宇佐美くんの口封じ
「…私は何もしてないよ」
…というか、正確にはノーカウントにしてるだけだけど。
「えーそうなの?もったいない」
「そういうの好きじゃないもん。サラも程々にしないといつか彼氏にバレて痛い目みるよ?」
「わかってるよぉ。あと2回くらい遊んでもらったら辞めるって」
絶対わかってないでしょそれ…。
数分前まで気まずそうにしてたのは幻だったのかな。
昨日、私に見つかって叫んで帰ったことすらももう無かったことになってるのかな。
私たちの仲が気まずくならなかったことは良いとしても、全然悪い事をしたと思ってなさそうなサラに心の中でため息をつく。
「あ。遥馬たち来たみたい」
そんなサラの声に釣られて振り向くと、小走りでこちらに向かってくる男子が2人。