宇佐美くんの口封じ




「玲、どうしたの?」

「…いや。遥馬は遅刻で、ついさっきサラさんから『今日行けない』って連絡きたから暇になっちゃって」

「そっか。こっち座る?」




私の言葉に「あ、はい」と短く返事をした彼が、私の隣に座る。


ガタ…と椅子を引き、玲は身体を私の方に向けて机に突っ伏した。
腕の隙間から見える玲の瞳と、視線が交わった。




「…サラさん、彼氏と揉めてるって言ってました」

「えっ」



突然振られたその話題に、私は思わず声を上げた。



「…なんか、サラさんが他の男と遊んでるの彼氏にバレちゃったみたいで。今日別れてくるって、さっき言ってました、」

「…そ、そうなんだ」



玲の言う"他の男"は、私の予想が正しければ宇佐美くんだろう。


宇佐美くんならバレないしって、サラが言ってたのに。

やっぱりバレちゃったのかな。
彼氏のこと面倒くさそうにしてたから丁度いいタイミングだったのかな。

それとも宇佐美くんとも全く関係のないまた別の男の子とも関係を持っていたとかだったり。


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