宇佐美くんの口封じ





「雅さん」

「…ん?」

「サラさんの遊び人相手のこと知ってますよね?」



そんなことを考えていた私に、玲はまるで最初から確信していたかのようにそう言った。

日誌を書いていた手を止め、「…え、」と声を零す。




「宇佐美が雅さんに最近よく絡んでるのも、それと関係があるんじゃないんですか?」

「な、何言ってるの玲」




どうして急にそんなこと言い出したのだろう。

私は宇佐美くんに口封じされたことを誰にも言っていない。
宇佐美くんもきっと、"仲良くする"ことを交換条件として飲み込んでくれたはずだから誰にも言ってないはずなのに。




私はただ、宇佐美くんに気に入られてしまっただけの先輩。


周りの目はそれで誤魔化せているはずなのに。




「…急すぎるんですよ、」

「え…?」

「なんで急に雅さんみたいなタイプに絡み始めたのかが、俺には理解できない」



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