宇佐美くんの口封じ

そう言われ、私は肩を震わせた。

玲は、宇佐美くんが遊び人であることを知っているらしい。

…サラから聞いたのだろうか。
それともやっぱり、噂で流れてくるのだろうか。





「サラさんが言ってました。…『宇佐美くんが最近雅に絡んでるから遊んでくれない』って」

「っえ、」

「…その話してる時に、ちょうどサラさんの彼氏が通りかかっちゃって。それで……」




彼は続きは言わず、代わりに「はぁ…」とため息をついた。


サラの彼氏にばれてしまったのは単に運が悪かったとしか言えないけれど、それでも宇佐美くんとサラが関係をもっていた事は事実だ。

サラと彼氏の関係が近いうちに終わってしまうのではないかと密かに予想していた私からしたら、呆気なかったなぁ、とそんな他人事のように思ってしまう。




けれど、玲が言いたかったのはそこでは無いらしい。





「…雅さん、宇佐美になんか脅されたりでもしてますか？」

「…え？」

「それとも、雅さんも宇佐美と遊んでる？」