それからの日々
洗濯物を干し終えたみどりは、また青い空を見上げた。
小学生だった上の娘の、外で遊んで帰ってきたときの日向くさい汗の匂いも……
今日学校でなにがあったかを延々と「報告」するときの、母親を見上げる瞳がまっすぐでキラキラ輝いていたことも……
離乳食になったばかりの下の娘の、抱えたときにしがみつかれて、ずしりとくる左腕の重みも……
そのぷくっとしたちっちゃな手で、母親のカットソーの胸元を引っ張る力が、思いのほか強かったことも……
「おかあさん」「まぁま」と、それぞれが自分を呼ぶときの……
その声も、その笑顔も……
……この心に、焼きついている。