それからの日々
それまでのみどりの人生は「流される人生」だったと思う。
高校三年生のとき、短大でも受験しようと思っていたのに、友達と一緒にたまたまある百貨店から来ていた求人の校内選考を受けたら選ばれてしまったため、卒業後は就職することになった。
また、必ず相手から告白されてつき合うパターンだった。中でも一番強引だったのが、のちに娘のの父親となる「夫」だった。
プロポーズされたあと、京都の旧家である彼の家に挨拶に行くと、みどりが高卒だという理由で猛反対された。
みどりは致し方ないと思って別れようと思ったが、彼は困難であればあるほど逆に燃え上がり、実家とは縁を切った。
みどりは入籍すると、会社を寿退職して専業主婦になった。すぐに上の娘が生まれて、家事に育児にと目まぐるしく毎日を過ごしていた。