終わり良ければ全て良し、けど過程も大事





彼女の採寸と俺の外見の分析が終わると俺と彼女は解散となった。


「お先に失礼します」

「いいデザイン期待してるよー!」


監督の言葉にペコペコとお辞儀をするとそそくさとスタジオを出ていった。


「不思議な子ですね」

「でもなんだかちっちゃくて可愛いじゃない?」


監督は彼女に好意的のようだった。

「僕もお先に失礼します」


営業スマイル。


「あ、律兎くんちょっと待って」


スタッフが1人俺に駆け寄ってくる。


「マネージャーさんからこれ預かってる」

手渡されたのは傘。

「ありがとうございます。お疲れ様です」


スタジオを出て廊下を歩きながらスマホを取り出す。



『たこパの材料買いに行くので先に帰ってます!雨降ってます!』

チュー多からのメール。

マジでやるのかよ。


「しかも雨って…うわホントだ」


警備員にお辞儀をして入り口を出た。



「結構降ってるなー。チュー多のやつ、早く終わるの分かってんなら待っててくれても良かったのに」

ブツブツ言いながら傘を開いた時、視界に誰かが入った。


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