終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
彼女の言葉の意味が分からず悶々としていた。
翌々日、撮影のため再びスタジオ入りした。
先に衣装に着替えるため楽屋に入ると彼女がいた。
「おはようございます、榎本さん」
「おはようございます」
一昨日のことなど気にもしていないように衣装に着替えるよう誘導された。
「え、すごい。これ2日で作ったんですか?」
複雑な仕組みの衣装を手に取りテンションがあがる。
そういえばこの学校のCMいつもこんな感じの衣装だったな。
「会社の人と作ったのでそんなにすごいことじゃないです」
手の届かない場所を彼女に手伝ってもらい衣装に身を包んだ。
「イメージ通り、ピッタリです」
正面に立ち微かに微笑む姿にドキッとした。
やっぱ丸眼鏡してても可愛い。
「あのさ…」
「じゃあ私メイクさん呼んで来ます」
俺の呼びかけは遮られ彼女は楽屋から出ていった。
昨日のアレ…「男の人が煩わしい」って、男避けで顔を隠すためにあの眼鏡かけてるってことだよな。
でも、あんな眼鏡かけてたって近くで見れば可愛いものは可愛い。
隠しきれるもんじゃないだろうに。