終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
再び歩き出した彼女だったがメールが入ったのかスマホを取り出し確認した瞬間。
「え」
青ざめた顔で立ち止った。
「どうかしました?」
俺の顔を見ると困惑した表情。
「ちょっと見せてください」
有無を言わさずスマホを奪い画面に視線を落とした。
『その男は誰?』
ゆっくり辺りを見渡すが遠くに見える大通りぐらいしか人の気配はない。
「私やっぱり1人で帰ります。このままじゃ白川さんを巻き込んでしまいます」
「は?いや、何言ってるんですか。逆にこんなメールが送られてきてるの知ってて1人で帰らせられるわけないじゃないですか」
「大丈夫です。慣れてますし、危害は加えてこないはずですから」
なんだその言い方。
犯人知ってるのか?
「とりあえずこのままここにいたってしょうがない。送りますから、いいですね?」
ほら早く、とリュックの上から背中を押す。