終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
結の好きなもの





あれから結局結は何も連絡はしてこなかった。

チュー多にも連絡はなかったみたいで買い物に行ったのかも不明。


危ないから契約したらそのまま引っ越せばいいと言ったけど、キャリーケース1つ分の荷物と布団はどうやって運んだ?

まさか自分で?それとも俺もチュー多も頼るのが嫌で元のアパートに戻った?



プライベートには配慮するとは言っても元々興味と心配が先行してこんなバカな契約をすることになったんだ。


無事かどうかの確認ぐらいしたい。



結の部屋に通じるドアをノックする。


防音だし返事は聞こえないが小窓には『就寝中』のプレートが入ってるだけ。



そっとドアを開けた。


「結、おはよー…」


リビングには気配がない。

物は…昨日から何も増えてない。


けど、コンビニの袋がキッチンに置いてある。


夕飯はコンビニですませたらしい。


無理もないか、今までほとんどが買ってくるか外食かの食生活だったんだろうからな。


そのまま真っ直ぐリビングの奥の部屋に向かった。

俺はここを寝室として使ってる。


「いない…」


もう1つ、リビングを出て玄関へ向かう途中にも部屋がある。


部屋のドアを開けると…ビンゴ。


毛布にくるまった結が丸まって寝ていた。

床で。


「おい…嘘だろ」



気持ち良さそうに寝ていることに驚くし、正直呆れた。


傍らにキャリーケースがあり、荷物を運んだのは分かったが布団は持ってこなかったのか。

持ってこれなかったのか。



しゃがみ、ため息をついた。

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