終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
「律兎さん、もう少し自重してくださいよ~」
自宅に帰る車の中、チュー多が半べそかきながらそう言ってくる。
「だってチュー多だったらどうする?可愛いアイドルにベロチューされたらムラムラするだろ」
「そんな経験ないから分かりませんよ~あとチュー多ってやめてください」
根澄勇多だからチュー多。
「可愛いじゃん。雪さんも気に入ってた」
雪さんは事務所の先輩。
「雪さんにも!?広めないでくださいよ!」
「チューチュー。お前も早く彼女とチュー出来るといいな」
「律兎さんのお世話が大変でそれどころじゃありません」
チュー多がため息をつくと同時に家についた。
「俺はともかく、社長にはもっと感謝すべきです。律兎さんの保護者兼、命の恩人なんですから」
「命を助けられたことはないな」
「でも社長がいなかったら律兎さんなんの仕事してました?フリーターでしよ?」
「ホストかな」
その手があったか…とチュー多は顔をしかめた。
「ともかく自重、自重ですよ!じゃあまた明日!」
車から降り少しイライラしてるチュー多にひらひらと手を振った。