終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
「白川さん」
今日はよく意識が飛ぶ。
ピンポイントに街灯もなく、自販機の灯りだけの場所で結が俺を見上げていた。
「あ、何?飲み物買えた?」
思わず変な返しをしてしまった。
首を傾げる結は自販機を指さし、
「何か飲みますか?奢ります」
そう問いかけてくる。
喉は渇いていなかった。
「いや、俺は―――」
素直にそう言おうと思ったけど、結が奢ってくれると言っているのに、結が俺を気遣ってくれているのに断っていいのかと俺の中の俺が言葉を遮る。
「じゃあ…その、青い缶コーヒー。あったかいやつ」
はい、と小さく答えた結が小銭を入れボタンを押す。
受け取り口から自分の飲み物と俺の缶コーヒーを取り出すと、缶を俺に差し出してきた。
無駄にドキドキしながら「ありがとう」とそれを受け取る。