終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
「結」
閉じていた目が開き不安そうに俺を見つめる。
「胸、触られて気持ちいい?」
「え?」
何を言っているんだ、といつもの結の表情だ。
「変な意味じゃなくてさ、声我慢してるっぽいし感じてくれてるんだろうけど…全然濡れてないから」
良く分かってなさそうな顔。
「えっと…知識はあるんだよね?」
意味が伝わらなかったらマジで俺何言ってんだ状態じゃん。
「…あります。分かります。でも、そーいう時ってローション使うんじゃないんですか?」
ぎょっとした。
本当にちゃんと分かってるっぽいし何も躊躇わず口にしたことに。
なんでそこまでしたいの?
なんて、もう口が裂けても言えなかった。
よく分からないけど結なりに俺との契約に覚悟を決めてくれてるんだと感じたから。
「…最悪そうするけど、結にも最低限気持ち良くなって欲しいからちゃんと慣らそうね」
どこがいいか、逐一確認しながら時間をかけて結の体をほぐしていく。
黙ってするより話しかけた方が結には合ってるようでだんだん緊張も解けてきた。