終わり良ければ全て良し、けど過程も大事


そろそろいいかな…。

本当は使いたくなかったけどこれ以上は俺がきつい。


結のおでこにチュッとキスをして「ちょっと待ってて」とベッドを下りた。



クローゼットの中から箱を取り出し、必要なものを手にする。

ベッドに戻るとさっきまで薄く開いていた瞳をまたギュッと閉じた。

手は顔を隠さない位置で固く握りしめていてそれだけで愛おしくなる。


準備をして、結の膝を折り曲げた。

眉間に皺がよってる。


「結、そんなに力いれてたら痛いよ」

額に触れてそのまま頭を撫でた。


「目開けて。俺のこと見て」


言われるがまま俺と視線を合わせる。


「息止めないで、力抜いて」


頭を撫でていた手で結の手を握りしめる。

合図はせず、少し入れた。


経験もなけりゃ自慰もしたことないなら予想はしてたけど…相当きつい。



結から視線をそらさず反応を見ながら少しずつ進める。


「っ…」


結の顔が歪むたび、内心焦りながらも手をさすったり顔を撫でたりしてなだめる。


半分ぐらい入れたとこで結の頬を涙が流れた。


「…痛い?少し深呼吸してみて」


ここで止めるのは結も辛いし俺も辛い。

中途半端が一番痛いって聞いたことある。



「限界だったら抜くけど、大丈夫?最後まで入れるよ?」


すぐにコクコクと小さく頷く。

優しくしたいのにこうやって余裕を無くされるとどうしていいか分からなくなる。


焦らないように、でも少し自分の欲望も入り交じりながら。

最終的には結の握り返す手の力を無視して最後まで入れた。



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