終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
20分休憩が入り彼女の楽屋に駆け込んだ。
チュー多は一瞬で察してくれた。
「あのさ、まずさ、付き合い始めた日って何?」
「え゛?」
反応は概ね予想通り。
けどもういい、時間ないし。
罵声を浴びせてどうぞ。
ひっぱたいてどうぞ。
グーパンだけはちょっと…明日も撮影あるし。
「もし、君を抱いたことで勘違いしてるならさ、申し訳ないけどそういう気ないから」
「は!?」
うん、予想通り。
拳銃を向けられた時のように両手を顔の横にあげる。
「だって、好きだって言ってくれたじゃないですか」
言ってないね。
「可愛いって言ってくれたじゃないですか」
それは言ったね。
「生放送で私と付き合ってるって言ってたじゃないですか!」
「言ってないよ?????」
「言ってました!!!あの日の次の日。トーク番組の生放送で!」
絶対言ってねぇ。
「なんにせよ、俺言ったよね。君と付き合う気はないよって」
「それは覚えてます。でも生放送で私のこと…」
「だから言ってないって。何か勘違いしてるんじゃないかなあ」
「じゃあ私のことは遊びだったんですね」
「いや、遊びっていうか…そもそも誘ってきたのは君だったよね」
「最低のクソ野郎」