*君にたくさん愛を伝えたい*
3
初めて飛鳥と会ったのは中学1年の冬
今にも雪が降りそうなそんな寒い日の放課後だった
「寒すぎる」
緩まったマフラーを巻き直して、ブレザーのポッケに両手を入れると少し緩くなったカイロの温もりに手がジーンとした
早く帰ろ
歩くスピードを上げて、近道するために普段通らない人気の少ない鉄棒と滑り台しかない公園の中を横断すると1人の男の子が倒れていた
それが飛鳥だ
すでにヤンキーとして有名だった飛鳥は助けるのはもちろん、関わりたくなかったから気づかなかったことにしようと公園を出た
けど、すぐに足を止めて公園の中へと引き返した
寒い中凍えながら倒れていた飛鳥を見捨てられなかったといえば聞こえがいいが、実際は明日凍死していたら見捨てた私のせいにされると思ったから
まずそこからが最低だ