*君にたくさん愛を伝えたい*




そんなある日の昼休み



屋上で1人ボーッとしているとガチャ、と扉が開く音がして飛鳥だと思って振り返ると違った





「七瀬みっけ」





そこにいたのはニコッと人懐っこい笑顔を浮かべる王子なんて呼ばれてる袴田奏が立っていた



常に学年一位の頭脳



スポーツをやらせればなんでも出来て、おまけに爽やかなイケメンの完璧人間だから王子らしい



私からすればカッコいいんじゃない?飛鳥の次だけど





「立ち入り禁止の場所に王子がいていいわけ?」


「七瀬もいるじゃん」


「私は1人になりたいからいいの」






歩いてきて私の隣に立つとジーッと効果音がつきそうなほど私を見てくる






「何か?」


「七瀬って美人だよな」


「は?」


「前から思ってたんだけどなんで片桐と一緒にいるの?」


「飛鳥といたらいけないわけ?」






まるで飛鳥と私は一緒にいちゃいけないと言われているようでムカついた



思いのほか低かった声に王子はビックリしたのか目を見開いていた



1人になりたいから来たのにこれじゃ意味がない




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