*君にたくさん愛を伝えたい*
「お世話になりました、今日はもう帰ります」
「え、七瀬さん?!」
飛人さんに軽くお辞儀をして、俯いたまま慌ててドアの前に立つ先生と飛鳥の間を通り抜け部屋を出た
「あ、七瀬さん待って!!帰るの??」
「は?七瀬??」
「お邪魔しました先生」
すごく失礼かもしれないが立ち止まって挨拶をする暇はなく、お礼を言いながら階段を降り玄関でローファーをはき先生の家を出た
外は土砂降りで出た瞬間ずぶ濡れ
とりあえず離れないと
口から漏れる息が白く染まる
「綾待って!!」
後ろから飛鳥の声が聞こえる
待って言われて待つ馬鹿がいるか!!
病み上がりのせいか息が上がり、足はもつれ始める