君とのさようならの仕方
僕らのはじまり
side takumi
「結婚して下さい。」そう指輪を差し出し
膝を着く。
飾り付けられた部屋にお祝いのケーキ
涙ぐむ彼女。
指輪のサイズは少し大きかったけど、嬉しそうに指輪を眺める彼女に鼻の奥がツンっとする感覚を覚えた。
こんな場面を見たら誰だってここがゴールだと思うじゃないか。
まだ始まりにすぎないのに。
彼女のなるは3つ上でお互いアルバイト先が同じだったのが出会いだった。
ぐるんっと大きい目に白い肌、小さい身長に華奢な身体
タイプだった。
初めて見たあの日から僕はなるの事を意識していたと思う。
なるはと言うと僕の事を弟ぐらいにしか思っていなくて、何度か食事に誘っても奢らせても貰えなかった。
「今日は僕が払います」
そう言ってバイト帰り焼肉へ誘うと
「じゃあ、その次は私が払うね」
そう言ってなるは笑う。
食事の回数が増える度に僕はなるが好きになった。
お肉が大好きで、野菜は好きじゃないと僕の皿にナスや玉ねぎをよけてくる所も
僕のくだらない話をニコニコしながら聞いてくれる所も
将来は世界旅行へ行きたいと熱く語る所も全て
愛しく思えた。
「なるさん、話があるんだけど。」
焼き肉屋を出てする僕は彼女にそう切り出した。
「なに?」
きっともう何を言われるのか予想がついているであろう顔をしていた。
「僕は、あなたが大好きです
大切にします。付き合って下さい」
声を振り絞った。
力いっぱい両手をなるへ向けて差し出す
「ん。気楽にやっていこ」
指先になるの指がちょんっと当たった。
よっしゃー?なのか?
気楽?ってなんだ?
「え?それはOKってこと?」
彼女へ視線を強く送る
「顔、怖いよ」
なるはキャンディーを舐めながらへらへらっと笑っている
「はぐらかさないでよ」
「ごめん。好きだよ」
なるはそう言うとニコッと笑って両手を広げた
「?」
一瞬どういう事か分からなかった。
「ほら!んっ!」
彼女はもう一度腕をグッと広げた
「あぁ!」
そういう事かと僕はその腕の中に飛び込んだ
普通逆だと思うけどね。
君が満足そうだからいいけどね。
弱々しい見た目に似合わない男前な所も好きだった。
そうして僕達らしい始まり方で物語を進めていった。
大好きで
大好きで大好きで始まった僕は
何をしていてもどこにいてもなるの事で頭がいっぱいだった。
学校が終わったらメッセージを送り
バイトの時間を心待ちにしていた。
バイトが始まればなるの姿を探して
バイトが終わればなるの家で食事をするようになっていた。
「ねぇなる」
彼女はキッチンで可愛いエプロンを付けて僕の為に料理を作っている。
「んー?なぁに?」
真剣に野菜を切る彼女は僕の方を見ない
「野菜嫌いなのに料理は野菜使うんだね」
「たくみはちゃーんと食べないと!」
こっちを見ないけどなるはニコニコしていた。
取り留めもない会話に幸せしかなかった。
毎日こうしていたい
本当に心からそう思っていた。
膝を着く。
飾り付けられた部屋にお祝いのケーキ
涙ぐむ彼女。
指輪のサイズは少し大きかったけど、嬉しそうに指輪を眺める彼女に鼻の奥がツンっとする感覚を覚えた。
こんな場面を見たら誰だってここがゴールだと思うじゃないか。
まだ始まりにすぎないのに。
彼女のなるは3つ上でお互いアルバイト先が同じだったのが出会いだった。
ぐるんっと大きい目に白い肌、小さい身長に華奢な身体
タイプだった。
初めて見たあの日から僕はなるの事を意識していたと思う。
なるはと言うと僕の事を弟ぐらいにしか思っていなくて、何度か食事に誘っても奢らせても貰えなかった。
「今日は僕が払います」
そう言ってバイト帰り焼肉へ誘うと
「じゃあ、その次は私が払うね」
そう言ってなるは笑う。
食事の回数が増える度に僕はなるが好きになった。
お肉が大好きで、野菜は好きじゃないと僕の皿にナスや玉ねぎをよけてくる所も
僕のくだらない話をニコニコしながら聞いてくれる所も
将来は世界旅行へ行きたいと熱く語る所も全て
愛しく思えた。
「なるさん、話があるんだけど。」
焼き肉屋を出てする僕は彼女にそう切り出した。
「なに?」
きっともう何を言われるのか予想がついているであろう顔をしていた。
「僕は、あなたが大好きです
大切にします。付き合って下さい」
声を振り絞った。
力いっぱい両手をなるへ向けて差し出す
「ん。気楽にやっていこ」
指先になるの指がちょんっと当たった。
よっしゃー?なのか?
気楽?ってなんだ?
「え?それはOKってこと?」
彼女へ視線を強く送る
「顔、怖いよ」
なるはキャンディーを舐めながらへらへらっと笑っている
「はぐらかさないでよ」
「ごめん。好きだよ」
なるはそう言うとニコッと笑って両手を広げた
「?」
一瞬どういう事か分からなかった。
「ほら!んっ!」
彼女はもう一度腕をグッと広げた
「あぁ!」
そういう事かと僕はその腕の中に飛び込んだ
普通逆だと思うけどね。
君が満足そうだからいいけどね。
弱々しい見た目に似合わない男前な所も好きだった。
そうして僕達らしい始まり方で物語を進めていった。
大好きで
大好きで大好きで始まった僕は
何をしていてもどこにいてもなるの事で頭がいっぱいだった。
学校が終わったらメッセージを送り
バイトの時間を心待ちにしていた。
バイトが始まればなるの姿を探して
バイトが終わればなるの家で食事をするようになっていた。
「ねぇなる」
彼女はキッチンで可愛いエプロンを付けて僕の為に料理を作っている。
「んー?なぁに?」
真剣に野菜を切る彼女は僕の方を見ない
「野菜嫌いなのに料理は野菜使うんだね」
「たくみはちゃーんと食べないと!」
こっちを見ないけどなるはニコニコしていた。
取り留めもない会話に幸せしかなかった。
毎日こうしていたい
本当に心からそう思っていた。
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