星降る夜に

 ジリジリ…。6:00 am。 
「ううん…。」枕元に置いている携帯に手を伸ばしアラームを解除する。
「10%…。」また寝る前に充電しておくことを忘れていた。毎回忘れてしまうこと、どうにかできないのだろうか。

軽く伸びをして、コップ一杯の水を飲む。そして、窓際に規則正しく並んでいる観葉植物に水をあげる。太陽の光に水滴が反射してキラキラ輝く。私はこの瞬間に彼らなりの生命力を感じる。

冷蔵庫をあけ、昨日の晩ご飯の残りの生姜焼きをレンジで温め直し、その間にお弁当の用意をする。そして同時進行で朝ごはんの準備もする。最近は近くに新しくできたパン屋さんの食パンにお世話になっている。袋を開けた瞬間に甘いいい匂いが部屋いっぱいに広がる。私はこの匂いを鼻の奥まで嗅いだところで、ようやく頭が働きだす気がする。

焼き上がった食パンに目玉焼きとお弁当の余りのウインナーを乗せたら、朝食の出来上がり。朝の占いを見ながら珈琲と共に頂き、さくっと朝食を済ませた。そして出勤の準備をし、いつもギリギリで家を出る。「携帯持った、
元栓も閉めた、よし行ってきま、、あ!」急いで部屋に戻り腕時計とお弁当を手にして駅に向かった。

朝起きて会社に向かう当たり前の日々、何気ない日常。私はこれ以上の幸せは特に求めていない。

ただ、何か変化があればもっと充実するかもしれないという気持ちは心のどこかにあった。
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