君にとびきり甘い“愛してる”を。
ご飯を食べ終え、オフィスに戻ると実咲ちゃんが待っていた。
「莉子ちゃん、社員食堂美味しかった⁈」
「うん、結構ね美味しかったよ。」
実咲ちゃんはお弁当だったから一階に食堂へは行けなかったんだよね。明日は一緒に行きたいな。
「休憩室行かない?少しだけ時間あるし……」
「うん、いいよ。」
あと、15分あるもんね。休憩室近くだし。
「何飲む?」
「えー……ミルクティーかな。」
【ミルクティー】の【砂糖なし】を押してできるのを待つ。
「……莉子ちゃんは、社長の噂知ってた?」
「え、噂? 知らない……けど」
「そうなの? 社長はさ、初恋の女の子が忘れられないから彼女いなかったらしいよ。初恋の女の子って莉子ちゃんじゃない?」
(……初恋の女の子……そんな、)
「わたしじゃないよ、きっと……」
「そうかな? だけど違うかったらあんな人がたくさんの中で“社長”という立場を差し置いてまで抱きしめたりお姫様抱っこで立ち去ったりしないよ。」
(確かにそうだ……だけど。)
「……信じられないよ。確かに、小さい頃……大好きなお兄ちゃんだったけど恋愛対象には見てなかったから、再会していきなり好きだって言われても」
急すぎて私は、ついていけない。
恋愛をしたことのない女子校育ちだし、バイトとかしか異性と関わる機会も少なかったし……。