君にとびきり甘い“愛してる”を。
「最初から婚約者候補だなんて言ったら、莉子ちゃんに嫌われそうだし。」
(いやいや、嫌うとか好きとかじゃなくて……まず、そういう対象にならないです)
「……で、ご用件は?」
「えー冷たいなぁ」
「ただ話に来たんなら私帰ります。失礼しま」
私は鞄を持ち、立ち去ろうとしたけど……出来なかった。
「……莉子ちゃん、行くなよ」
「は、離してくださいっ」
「えーやだ。莉子ちゃんは俺のものだって知らしめてやらなきゃ」
みんなが見てるのにみんなの前で……後ろから抱きしめて来た。
(……自己中すぎだよね、この人。この人が、社長じゃなかったらもっと言ってやるのに。)
「莉子ちゃん、俺とご飯行く約束だったでしょ?」
「……本当に行くんですか?」
「うん、俺ちゃんと予約しちゃったし。ね?」
予約しちゃったって、それって強制じゃん。
拒否権なんてないってことだよね。