君にとびきり甘い“愛してる”を。
それだけ言うと椅子から立ち上がりお店を出た。お店から駅まで……10分。
……歩こう。
「……ま、待って……っ⁉︎」
「……っ……」
少しだけ歩き出したのに会社の時みたいに手首を掴まれ、止められた。
掴まれていた手が離れるとなんだか手首が熱い。
「……な、なんですかっ……?」
「俺は遊んでないよ。」
(……はい?)
「俺は遊んでない、ずっと莉子ちゃんのことしか考えてないよ」
「……なんで、」
「だって、俺の初恋だから…莉子ちゃんは、近所のお兄ちゃんって思っていたみたいだけどさ、俺はずっと……恋愛対象として見てたよ。」
(全然気がつかなかった。恋愛対象で、私のことを見ていただなんて)
「………。」
「ずっと、会いたかったんだ。莉子ちゃんをずっと想っていた……だから今まで付き合っていた彼女もいないよ。」
(ずっと…?そんな会える確証なんてないのに…)
「奇跡、を信じたかったから。それに莉子ちゃんを見つけたくて、社長になったんだから。」