君にとびきり甘い“愛してる”を。
「莉子ちゃん、迎えにきた」
「はい…?なんでですか?」
なぜこんなに普通に話しかけてくるのか…。前に言った私の言葉を忘れたのだろうか?
「…話があるから。」
「私は今、勤務中なので…」
「俺も勤務中。だけどまだ昼休みだよ、時間はまだ有る。」
(昼休みなんて言われても、私は話したくないんだけど……また噂が大きくなるし)
「少し、彼女を借りてもいいかな。」
「あ、…あぁはい。大丈夫ですよ、どうぞ」
実咲は勝手にどうぞだなんて言うし…。
(他人事だと思って……)
「ありがとう。お金これね。」
そう言う彼はすごい笑顔でお札をテーブルに置いてから「じゃあ行こうか?」と言って、私に笑い掛けた。
ここは会社の近くで、同じ会社の人に見つかったら…と思えば断ることなんて出来なかった。
(というか…実咲……勝手にやってくれたわね。もう、後から文句言ってやる〜)