君にとびきり甘い“愛してる”を。
「あ……えっと、どうぞ。」
声をかけて来たのは私の一個隣の席の人。髪はショートでキャピキャピしている感じがある……女性。
「もー! そんなよそよそしくしないでよ〜」
「は、はぁ……」
「私、桐野菜奈(きりの なな)! T大卒!よろしく!!」
(すごく元気な人だなぁ。こういう人、苦手だ。ちょっと、ついていけない……テンション高いし)
「あなたは?」
「あ……私は木森莉子(きもり りこ)です。」
私はこの人とは対照的に、比較的大人しめだ。それは学生の頃から。
「ねぇ、大学はどこ?」
「苺谷女子です。」
「えぇ!? 苺谷? お嬢様学校でしょ? へー……お嬢様っぽいもんねー」
お嬢様っぽいって……どういう意味かわからないけど。確かに私が卒業した大学は、お嬢様学校だ。
苺谷女子学院大学。
中学から大学までのエスカレーター式の学校で、ここら辺の人なら誰もが知っている……私立大学だ。
「そんなことないですよ。」
お嬢様学校と言われているけどそうではない。確かにお金持ちもいるけど……実力勝負の学校。
勉強ができる人もいれば、スポーツがプロレベルの人がいるんだよね。