君にとびきり甘い“愛してる”を。
○気づいた気持ち。
「莉子ちゃんは俺のだから」
━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎…
「莉子ちゃん、疲れてない?」
「はい、大丈夫です…」
ここは何故か、船の上。
それに、船内にある高そうな個室のソファに座っている。
『ただいまより、新商品完成パーティーを始めたいと思います─︎─︎─︎─︎─︎─︎』
アナウンスが流れると、社長は「行こうかな」と手を差し出した。
「莉子ちゃんは隣に立っていてくれればいいからね?」
「う、うん…」
「今だけでも、婚約者になってくれればいいから。」
私は彼に頷いて立ち上がるとすぐに、私の腰に手を回した社長は個室から出てパーティ会場へ向かった。
社長として沢山の人に挨拶回りに同行し、私はニセの婚約者として挨拶をする。こんなの初めてで、とても疲れる。
社長はいつもこんなことをしているのか…大変だなぁ。