君にとびきり甘い“愛してる”を。
仮の婚約者になったのは今から数日前のことだった━︎━︎━︎━︎…
「莉子ちゃん、話があるんだ。」
仕事終わり、退勤の放送が鳴ってすぐにやってきた彼に個室の料亭に連れられてきた。
私は、いつものディナーだと思ったけどその日は違った。
「…仮の、婚約者になってほしい。」
「仮の婚約者?急にどうしたんですか?」
「本当はもっと少しずつ距離を…と思っていたけど、状況が変わったんだ。」
……状況が変わったって、何が?
「本当は、莉子ちゃんに好きになってもらいたい。それからプロポーズをしたかったんだけど…」
「…あの、よくわからないんですけど…」
「い、今は仮の婚約でいいんだ…会長が沢山のお見合い話を持ってきて…」
お見合い話を断るのが面倒くさいから、私に…ってこと?