君にとびきり甘い“愛してる”を。


「もう独占欲丸出しですか?瑠樹は溺愛だね。そういえば偽─︎─︎─︎」

偽…?
榎本さんは、社長の耳元で私には聞こえないように何かを言った。

「兼田社長、莉子さん。またね。」

「はい、失礼します」

榎本さんと別れてからまたいろんな人と挨拶を交わし…私はヘトヘトだ。

「莉子ちゃん、今日は会長が来てるんだ。挨拶に行こう」

「会長って…前社長ですか?」

「そう。変わってるから、驚かないでね?」

変わってる?驚く相手なの?
逆に怖いんだけど…。

「如月会長、お久しぶりです。」

「おー!瑠樹くん。久々だね!元気?あっ、そういえばその子が瑠樹の…むむっ」

彼はマシンガントークを始めたけど、社長に止められた。

「…会長、怒りますよ」

「えー!いいじゃん。もう噂になってるの知らないの?俺の働き者の秘書くんが教えてくれたけど。えっと、名前は…莉子ちゃん!」

噂って何の噂?
名前も何故知ってるの……。


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