君にとびきり甘い“愛してる”を。
「…取り敢えず、ソファーに座ろうか。」
「うん…。」
手を繋いだままソファーへ座ると私の頭を撫で、ぎゅっと抱きしめられた。
「…今日は帰ろうか、莉子ちゃん。もう下船が出来るから」
社長は私の手を握ると外に出た。パーティー会場は沢山いたのにもう少ししかいない。
港の近くにある駐車場に停めた車まで手を繋いだまま歩く。いつもなら、社長が沢山話をしてくれるけど…今は無言ですごく静かだった。
「莉子ちゃん、どうぞ…」
「あ、ありがとう」
(き、気まづい……。)
いつものようにドアを開けてくれて、助席に乗り込んだ。
「…家に直帰でいいかな」
「…瑠樹、くん……」
取り敢えずは名前を呼んでみる…ちゃんと名前呼んだのは初めてかもしれない。
「名前…」
「今は仕事じゃない、から…っ」
彼のシャツを咄嗟に掴んだ。
「そばにいて欲しいの。」