君にとびきり甘い“愛してる”を。
それに同期の実咲にも報告をした。そしたら「やっぱりね〜!だけどおめでとう」って喜んでくれた。
「これで、莉子も兼田だね。やっと、莉子ちゃんが俺のものになった…」
瑠樹くんは、小学生の時から今まで私を好きでいてくれた。こんなに想われてて、すごく幸せだなぁって思う。
「待たせてごめんね、瑠樹くん。でも瑠樹くん?」
「ん?」
「小学生の頃からだったら、なんで今まで会いにきてくれなかったの?」
そう問いかければ瑠樹くんは言葉を詰まらせた。
「…怖かったんだよ。」
「へ?怖かった?」
「会いに行って拒まれたらとか、恋人がいたらとか考えたら怖くて会えなかったんだよ」
じゃあ、なんで入社式後に“見つけた”だなんて言ったの…?
「実のところ、採用したの俺…。」
「は?」
「書類選考でね莉子ちゃんの履歴書見て、採用って言っちゃったんだよね。まぁ、それだけじゃないけど…で、入社式後に見つけて嬉しくて抱きしめちゃったんだよ」
本当にこの人は…と思うけど。
私のこと好きでいてくれたのが嬉しくてストーカーぽいことは水に流そう。
だって今、すごく幸せだから。
「瑠樹くん、大好き」
そう呟けば「俺は…ずっと愛してるよ。」と彼は唇を重ねた。
きっとこの先もとびきり甘いキスを交わすんだろうな、なんて思いながら。
『君にとびきり甘い“愛してる”を。』完.