君にとびきり甘い“愛してる”を。

お姫様抱っこをされたのは何故かエレベーター前まで……で。

「……逃げないでね、莉子ちゃん」

「……っ」


(なんで、恋人繋ぎなの……というか逃げないでねって、もう今の状況が恥ずかしくてどうしたらいいかわからないんですけど)


「あ、来た。」


エレベーターが開き……どこへ行くかと思えば最上階が押されていて、私はドキドキと心臓の音がうるさい。


「社長……あの、なんで私の名前を「知ってるよ。」


はっきりとそう言った。


「なんでですか？」

「んー……話は、社長室に行ったらね？」


(なんで、私……初日から、社長室に行くんだろう。)


「秘密だよ、莉子ちゃん」


そう言って笑う、彼にあのお兄ちゃんを重ねた。