もういいや...と思ってた
龍斗「じゃあ、次に聴診するから少し捲って」
と言われまた躊躇う。その間に首にかけてあった聴診器は既に準備されており
龍斗「早く帰りたいんでしょ。ほら」
と言われ、渋々服を少しだけ捲った。痣とか傷が見えないようにほんの少し。その隙間からスルッと聴診器が入る。ヒヤッと冷たい聴診器を感じながらボーッとしていた。
相変わらず長い聴診。すごく真剣な目をしている龍斗先生。目のやり場に困りとりあえず少し横にあるベッドの方を見ていた。
龍斗「次、背中ね」
と言われ、丸椅子を回し、内科検診の時のように服を捲るのではなく、少し背中と服に隙間ができるように服を引っ張る。その隙間から同じように聴診器が入ってくる。また、ヒヤッと感じ、長い聴診が始まる。今度は後ろ向いているからただボーッと診察室の扉を見ていた。
龍斗「はい、いいよ」
と言われ、すぐに服を直し龍斗先生の方を向く。
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