もういいや...と思ってた
10分ぐらい経ってから、そっとトイレを出る。受付まで行き、すぐに会計を済ませて外に出る。意外と直ぐに出られたなと思ったのも束の間。外を探していたらしい龍斗先生とばったり。お互いの目が合ったのが早いか、私が走り出したのが早いか分からない。
龍斗「待て、走るな!」
強めの口調で言われる。でも、そんなので止まるわけが無い。どこかに電話しながら走ってくる龍斗先生。速い。捕まると思ったら、すぐに腕を掴まれた。腕を振り払うが、やっぱり離れない。走ったせいか、息苦しい。呼吸が早くなる。喉がムズムズして咳が出る。
「ケホッケホッゲホゲホヒュッ」
咳が止まらない。息を吸おうとすると咳が出て上手く吸えない。
龍斗「ゆっくり呼吸して。俺に合わせて吸って〜、吐いて〜。そうそう続けて」
「ゲホゲホヒューゲホゲホハー」
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