もういいや...と思ってた
目が覚めると、また白い天井。付けられていた酸素マスクを外す。

"コンコン"

返事をする間もなく開けられた扉から入ってきたのは主治医の大翔先生。

大翔「おはよう。聴診するから前開けて」

おう...端的(笑)目が覚めたかっていう反応はないのね。無愛想でちょっと怖そうだからそっと少しだけ捲る。まあどうせ見られてるんだけど、見せ慣れることはきっとないと思う。聴診器を当てる大翔先生は、無意識なのか眉間に少しシワがよっていて普段よりも怖さが増す。

大翔「ん、いいよ。んで、なんであそこで倒れてたんだ?」

ああ、診察終わらせてから話を聞くタイプね。なんて思いながら、今朝の話をする。私の話を聞いたあと

大翔「倒れてた君を診察したけど貧血が出てた。冷蔵庫まで行く前に症状出ただろ?なんでナースコール押さなかった?」

「朝早くて申し訳ないと思って」

大翔「大事になる方が迷惑かかるから」
はっきりものをいうタイプの人らしい。裏表ない人の方が私的には信頼出来る。

「ごめんなさい」

大翔「わかったならいい。それで、酸素マスクはなんで外してる」

「あ...えっと苦しくて?」

大翔「なんで疑問形なんだよ笑」
そう笑う大翔先生が可愛いな〜なんて見てたら

大翔「まあ、また見に来た時に平気そうなら外すからもう少しつけてて」

「わかりました」

大翔「じゃあ、また来る」
そう言って病室から出ていった。
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