もういいや...と思ってた
そこに居たのは、龍斗先生だった。少し涙目だった私はなんとかバレないように下を向きながら、

「すみませんでした」

と言うと

龍斗「心配したんだぞ!施設に帰ってないって言ってたから、どっかで倒れてるんじゃないかって!仕事上がってから一応寄ったらいたからいいけど、他の人も皆心配してるぞ!」

「すみません」

龍斗「はあ、戻るぞ!」

そう言って、龍斗先生の車に乗り込み、終始無言で病院に着いた。夜間救急の入口に停められ、中からは車椅子を押してくる看護師と医者が1人こっちに向かってきた。かけるさんと、大翔先生だ。夜で表情はあんまり見えないけど、雰囲気から怒ってるのがわかる。

かける「乗って」

歩けるって言おうと思ったけど、言える雰囲気ではないことはすぐにわかった。大人しく車椅子に乗り、救急の入口から中に入った。押すのはかけるさん、隣には大翔先生と龍斗先生。なんて言うか仰々しい。そのまま処置室に連れていかれ、あれよあれよという間に、着ているシャツのボタンを外され、大翔先生に聴診された。シャツを閉めようとしたが、かけるさんに手を掴まれる。しかも無言で結構握力強め。怒ってるのが凄くわかる。そのまま今日つけるはずだった心電図を付けられ、病室に車椅子で送り届けられた。龍斗先生は帰ったらしくいつの間にかいなかった。病室で寝転がると、今度は点滴の準備を始める大翔先生とかけるさん。

え、痛いの嫌〜。なんてまた抵抗しようとする私。そしてまた力の強いかけるさんに阻止された。結局点滴の針を入れられ、固定された。終わったと思ったら、大翔先生もかけるさんも出ていかない。
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