もういいや...と思ってた

大翔「で、なんでいなくなった?」

「...」

かける「恵ちゃん、みんながどれだけ心配したか分かる?病院内も、外も色んな人が探したんだよ!」

「...」

大翔「そうやって黙ってるつもり?それで何か解決するの?」

「...すみませんでした」

大翔「今謝って欲しいって言ってるんじゃないの分かるよね?なんでいなくなったの?」

「...つが嫌だった」

大翔「ん?」

「採血が嫌だったんです」

大翔「それだけ?」

「それだけでも私は嫌なんです」

大翔「はぁ、俺たちは恵ちゃんの病気を治したいと思ってる。でも、本人が病気から逃げて治す気がないなら俺たちは何も出来ない。」

「...はい」

大翔「恵ちゃんはこの病気をどう思ってる?」

「...私は、施設で毎日何の変哲も無い日々を送ることが幸せだと思ってます。でも、この病気で入院すると、色々なところで迷惑をかけます。だから、私は死ぬなら死ぬでいいと思ってます。先生方が心配する必要なんてない人間なんです。だから...」

大翔「それでも、恵ちゃんは自分から病院に来た。確かに入院しようと来たわけじゃないかもしれない。でも少なからず病院に来たのは、恵ちゃんが少しは自分の異変に気づいていたからじゃないの?医者の俺たちに助けを求めてきたんじゃないの?」