もういいや...と思ってた

かなりの既視感。なんて思うのも束の間。

龍斗「行くぞ」

とすごく低い声で言われた。何も言わずについて行く。久しぶりの怒っている龍斗先生に少し怯えながらも、車に乗る。やっぱり無言な先生。でも、それよりも今は車の揺れが気持ち悪い。すぐに着くからと自分に言い聞かせながら揺れに耐える。5分〜10分の乗車時間なのに何十分にも感じる。着く頃には何回も吐き気に襲われ、吐かないようにするのに必死だった。

病院に着いたみたいだけど目の前がぐるぐるして動けない。でも、なんとかドアを開けた瞬間に倒れた。コンクリートに顔から倒れてすごく痛い。龍斗先生はどっかに電話している。そのまま抱えあげられ、病院の入口から入った。かけるさんが車椅子で待機していたのか入口に入るとすぐに声をかけてきた。聞くってことが出来ないくらいに吐き気を我慢してる。すぐに車椅子に乗せられ処置室に行くと洗面器のようなもの渡された私は思いっきり吐いた。厳しい顔つきで見ている龍斗先生だけど、背中をさする手はすごく優しい。もう何も出ないという所まで吐いた私はぐったりして動けない。そんな私を見ながらいつの間にか来ていた大翔先生が聴診していて、龍斗先生は酸素や点滴をテキパキと付けていた。

未だに回り続ける視界を最後に意識が途絶えた。