傘を差して雨宿り
 何故か、傘を差したまま、一緒に軒下に入る。

 激しいが、傘を差しても歩けない、という程の雨ではない。

 どうしたっ、なにがっ?
と思う蒼羽の横で、莉帆はカバンをゴソゴソやり、スマホを取り出してきた。

 なんだ。
 スマホを見ようと思って、此処に来たのか、と莉帆の行動に説明がついて、ホッとしたとき、キンコーンと自分のスマホが鳴った。

 見ると、見覚えのないアイコンからメッセージが。

 ……平賀莉帆。

 そうか。
 この女子社員、そんな名前だったな、と名前が思い出せてホッとしたあとで。

 んっ? と思う。

 隣に居るのに、何故、LINE!?
と蒼羽は莉帆ではなく、スマホの画面を覗き込む。





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