再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
だって、黒炎くんの好きな人はアカリちゃんなのに。だけど、もし今のが本当にそうだとしたら……あぁ、勘違いするのはいけないことだってわかってるのに。

鼓動のスピードおさまれ……平常心、平常心と心の中で呟きながら歩く私だった。

「朱里はまず何から食べたい?」

「んー、タコヤキかな。次は焼きそばに唐揚げに……」

「ぷっ……ははっ。朱里は食い物ばっかだな」

私が食べ物ばかりを口に出すと黒炎くんはお腹を抱えて笑い出す。途端に恥ずかしくなった私は「わ、悪い?」と照れながら返す。

「夏祭りは食べ物だけじゃなくて金魚すくいや射的だったり他にもあるだろ? ってことだ。そんなに腹減ってるんだなと思って、つい笑いがこみ上げて来たんだ」

「それにしたって黒炎くん笑いすぎ!」

もう! と言いながら、私は黒炎くんの胸を軽く叩く。
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