再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
せめて花火が終わるまでには合流したい。その理由は簡単。二人で一緒に花火を見たいから。

誰もいない場所で休んでいたお陰か体調は大分落ち着いた気がする。
ここからだと花火の音が少し聞こえるくらいで全然見えない。

(黒炎くん、早く戻って来て……)

暗くて静かな場所がだんだんと怖くなってきた。そういや、私元々は怖がりなんだった。静寂な空気の中、ピコン! と音がなった。私はビクッと身体が跳ねたが、その正体はスマホだった。

『朱里へ。待たせて悪い、もうすぐそっちに着くから待っててくれ』

「良かった。もうすぐ黒炎くんが来てくれる」

私は安堵の声を漏らし、了解とだけ送った。
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