再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「あ、あの、会長さん。近いですよ」

「霧姫朱里、自分は貴方に伝えたいことがあって……聞いてくれますか」

「伝えたいこと? なんでしょうか」

一体なにを言うつもりなんだろう。私には皆目検討もつかない。


すると、次の瞬間フワッとした感触と鼻をくすぐるような甘い匂いがした。

え!? もしかして、私抱きしめられてる?

「相談に乗っている時は気付きませんでした。だけど気付いてしまったんです、自分の気持ちに。僕は……貴方のことが好きです」

「え……?」

一瞬、なにを言われたのかわからなかった。頭がフリーズして理解が追いつかない。

会長さんが私のことを好き? ……そう言ったんだよね。でも、会長さんほどの完璧な人がどうして私なんかを……それに私は黒炎くんのことが好きなのに。
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