再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「貴方が柊黒炎に好意を抱いていることはわかっています。その上で告白してるんです。返事はすぐにはしなくていい……でも、真剣に考えた上で答えを聞かせてください」

私の考えてることを手に取るようにわかるのか、会長さんは。冗談でないことはすぐにわかった。だって、会長さんの表情が今まで以上に真剣だったから。

会長さんは嘘や冗談で異性に抱きつくようなことはしない。本気の恋だってわかってる。わかってるんだけど、今の私は……。


「わかり、ました。真剣に考えたあと返事をしようと思います」

「どんな結果でも自分は受け止めます。今日はそれだけを伝えに来たので、自分は失礼します」

そういうと会長さんは私から離れ、去っていった。

今のわたしに花火の音は聞こえなかった。
< 167 / 387 >

この作品をシェア

pagetop