再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「う、うん」

ゴクリと唾をのみこむ。私は断られるのを前提で、ギュッと目をつむってしまう。両手はかすかに震えているのがわかる。正直、今は怖いの気持ちでいっぱいだ。

「俺も朱里のことが好きだ。だから付き合ってほしい……」

その瞬間、風が強く吹いた。フワッとあたたかいぬくもりに包まれる私。

今、なんて言ったの? 黒炎くんの顔を見ようと思ったけど、何故か目がかすんで見えない。

もしかして私……泣いてるの?

「俺、わかったんだ。自分の本当の気持ちが。最初はゲームのアカリが好きだった。だけど、だんだんと現実の朱里と話したり、触れ合う度に気持ちが揺れ動いたんだ。心があたたかい気持ちになった」

最近、ゲームのアカリちゃんのこと聞かないと思ったらそういうことだったんだね。……良かった。触れ合うたびにドキドキしてるのが私だけじゃなかったんだ……黒炎くんも私と同じ気持ちで今、私はそれだけで嬉しい。
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