再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「せっかく2人きりになれたんだし……」

「え?」

甘い言葉をかけられそうになる。でも、またアカリちゃん関係だってわかってるよ。2度も騙されないもん! って身構えていたけれど。

「ここで踊らないか?」

「今、なんて……」

「だから、ここで朱里と踊りたいんだ。駄目か?」

そんな子犬のような眼差しでこっちを見てくるのはズルい。だって、いつもならゲームしようぜ! とか言ってくるところなのに。今日はどうしたんだろ。

「だめじゃない。けど、なんで?」

「あんな派手な場所、俺には似合わない。俺はお前と2人きりで過ごしたいんだ。でも、せっかくのパーティーっていうならダンスをするのも悪くないだろ?」

とても男らしい表情。月明かりに照らされて、黒炎くんがキラキラしてる。って、その場の空気に流されそうになった。
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