再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「食事の準備が出来てるからこっちへおいで」

「あの、私は食事をしに来たんじゃ……」

「せっかく君の分を作ってくれた料理長に悪いとは思わないのかい? ゆっくり食事をしながら話をしよう」

「……はい」

やっぱり無理やりだ。どうして断りにくい理由をつけては私をこの屋敷に留まらせようとするのか。それに私の分の料理も、ということは今日、私を迎えに来る前提だったんだ。

「普段はここで食事をしてるんだ。知人とは別の場所を使うから、家族以外をこうして招くのは君が初めてかもしれないな」

私はお金持ちの家には必ずあるようなお決まりのダイニングルームに案内された。紅炎さんは嘘の笑みを浮かべながら笑っている。そんなの全然嬉しくない。
< 279 / 387 >

この作品をシェア

pagetop