再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「まだわからないのかい? 黒炎は僕の息子だ。息子の大事な将来を考えてやるのも親の務めってものだろう?」

やっぱり、そうだったんだ。さっきは認めたくなくて焔さんだけの父親だと思っていた。だけど、今ので理解した。紅炎さんは、父親の前に一人の人間として最低だ。でも、そうしたら黒炎くんと焔さんは姉弟ということになるのだろうか。

「たしかに子供の将来を考えることはいいことだと思います。でも、それを強制するのは違います……貴方のは相談じゃなくて、自分のしたいことを押し付けてるだけの人間に過ぎません!」

「強制なんて人聞きが悪い。黒炎は同意してくれているよ? 君に被害を加えないかわりに教養を学び、僕の仕事の手伝いをすると。君は聞いたことがなかったのかい?」

「そんなこと……」

聞いてない、黒炎くんから一度もそんな話を。だから黒炎くんは学校に来なかったっていうの? 私を守るために。
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