再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「親父……それはわかっていた。あんたみたいな有名な社長が俺を見逃すはずないってな。見つけようと思えば、どんな手を使ってでもすぐに見つけられる。だけど、それをしなかったのは俺が一人で生きていけるか、柊家という名前ではなく、俺自身に存在価値があるか試したかったんだろ」

「さすが、僕の子供だ。そのとおりだよ。ただ残念だよ、一人で生きていくどころか家を出たその日に如月家に拾われるなんてね。でも、君が何故、中学生まで如月家にいられたとおもう?」

「なんだと?」

「黒炎くん。これ以上、聞いちゃだめ!」

黒炎くんは気付かなかったのかもしれないけれど、私にはわかった。一瞬だが、紅炎さんの口元が緩んでいたことを。きっと今から黒炎くんが傷つくような言葉をたくさん吐くに違いない。

私は黒炎くんの耳を抑えようとしたけど、すでに遅かった。
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